STEP for the Frontier

社外 CTO の経験が教えてくれた、本質的な課題

FrontierTech の立ち上げには、代表・吉田が複数の企業で「社外 CTO」を務める中で痛感したある気づきがあります。

それは、「企業ごとに違う課題や背景を持つ以上、誰にでも当てはまる万能の解決策は存在しない」 という事実です。

たとえばある企業では、アプリを新規開発すれば業務が大きく変わると考え、最初は大規模投資を検討していました。しかし実際には、部署横断で少しずつ業務フローを見直し、必要最低限の箇所にだけシステムを導入 することで、より早く成果が出たのです。
別の企業では、要望・要求をむやみに詰め込むのではなく、「そもそも何を実現したいのか」を丁寧に整理 し直すだけで、既存リソースでも運用可能な道が開けました。

こうした事例からもわかるように、「こうすればすべて解決」という銀の弾丸はない ことを幾度となく目の当たりにしてきました。むしろ、複数の要素を地道に組み合わせて微調整(チューニング)を重ねることが最も効果的だと実感しています。


見えてきたのは「人と切り離せない」という真実

生成 AI をはじめ、テクノロジーによって私たちの業務効率は飛躍的に高まりつつあります。
しかし、吉田自身が社外 CTO してさまざまな企業と関わるほど痛感したのは、最終的には積み重ねてきた人間の知恵、経験、現場の深い理解こそが本質 だということです。

  • 新しいツールを入れても、「誰がどのように使うのか」 が明確になっていなければ運用がうまく回らない
  • 生成 AI がいくら高性能でも、目的や文脈を設定するのは人 であり、そこにズレがあると成果物が活きない
  • ツールと現場を繋ぐためには、「現場を深く知る人間の判断」 や継続的なチューニングが欠かせない

こうした経験から、「テクノロジーと人は不可分」 だという事実こそが、私たちの支援における大前提となっています。


あつかう範囲を広げたほうが簡単になる

「こうすればすべて解決」という銀の弾丸はないならばどうすればいいのか、私たちがたどり着いた解決策は 経営戦略も、組織づくりも、実際のソフトウェア開発も分けずに考える ことです。

たとえば「全体方針(戦略)」だけ整っていても「組織体制」が追いついていなければ実行段階で頓挫しますし、「ツール導入(実行)」ばかり急いでも、その裏付けとなる経営インパクトや現場の体制が整わなければ効果は限定的です。 こうした複数の変数を一度に扱うからこそ、一見バラバラに見える問題のなかにボーリングのセンターピンが見つかり、少ない労力で部分最適ではなく全体最適な変革が実現しやすくなります。

具体的な支援の一例:製造業の受注管理を改善

たとえば、ある製造業のお客様が抱えていた受注管理の課題では、以下のように戦略・組織・実行を連動させながら解決を図りました。

戦略面

  • 受注管理のデータ化による期待効果を定義
    どのような受注が利益につながるのかを明確にし、経営として狙う成果を言語化
  • 必要なデータと優先順位を決定
    投下できるコストや、どの部門がいつデジタル化に取り組めるかを考慮しながら、最適な導入ステップを検討

組織面

  • 影響範囲の洗い出しと担当アサイン
    受注フローがどの部署や担当者にまで及ぶのかを明確化し、必要なトレーニングや責任分担を整理
  • データ活用チームの育成
    社内に横断的にデータを扱い、実務に落とし込むチームを立ち上げ、スキルアップを継続的に支援

実行面

  • 小さなステップからのシステム導入
    まずは既存のスプレッドシートを整形・構造化 → ノーコードツールでプロトタイプを短期開発
  • 最適な SaaS の選定・連携
    実際の運用データを踏まえたうえで受注管理 SaaS を導入し、データ分析基盤とも連携させて施策の立案を高速化

システムだけ、組織改革だけなど単発で取り組むのではなく、戦略を明確にし、組織と人の準備を整え、最適なツールを組み合わせる。そのうえで必要であればしっかりシステムを開発する。こうした取り組みを継続的に進めることで、最も効果的な成果が得られるのです。


なぜいま、新しい一歩が必要なのか

いま、デジタルテクノロジーの世界は 大きな転換期 を迎えています。
ソフトウェア開発のスピード は年々上がり、さらに 生成 AI の登場によって、かつては一部の先進企業に限られていた 効率化の恩恵が、いまやあらゆる企業で活用可能になりつつあります。

実際、私たち FrontierTech では、チャットツール上で AI に複数のコード開発を同時並行で依頼し、数日でプロトタイプを構築するといった手法を実践しています。これは数年前では考えられなかった速度です。

しかし、どんなに技術が進化しても、それを運用し続けるのは人間
IT はあくまでも 「人が、人にしかできないことに集中できるようにする」 ための技術であり、本質的な成果を出すには 技術と人の絶え間ない調整・学習 が重要となります。


Frontier とは何か ─ 私たちの哲学

Frontier(フロンティア)」と聞くと、多くの方は 「遠い未来や最先端」 をイメージしがちです。しかし私たちにとってのフロンティアは、もっと身近なものです。

いつも通る道を右に曲がるところで、左に曲がってみるように、あなたの目の前にある選択肢の中から「新しい一歩」を踏み出すこと
小さな実験であっても、試行錯誤のなかから思わぬブレイクスルーが生まれる瞬間こそが、私たちの考えるフロンティアです。

新技術である 生成 AI が目の前に現れた今、「どこからどう手を付けたら…」と足踏みするのは自然な反応です。しかし、完璧な正解を求めて立ち止まるよりも、まずは小さく試してみる ことが大切。その先にこそ、新しいフロンティアが開けていくはずです。


具体的なサービス内容

FrontierTech は、以下の 3 領域でお客様のデジタル活用を総合的にサポートします。
ここで提供しているのは、社外 CTO として「本当に必要な機能」をサービス化した 形です。

1. 戦略面のサポート

社外 CTO サービス

経営者の描くビジョンを、具体的な IT 戦略 へと落とし込みます。
豊富な実務経験を持つプロフェッショナルが、御社の 社外 CTO として経営課題の解決をサポートします。

AI 顧問・コモンサービス

いま必要な AI の導入検討から実装まで、対話を重ねながら最適な形を見出します。
プロトタイプの作成から本格導入、その後の運用まで一貫して支援します。

2. 組織面の強化

IT 人材採用支援

特に地方企業を中心に、デジタル人材の採用 をサポート。
技術面の評価から組織フィットまで、総合的な採用支援を提供します。

デジタルリーダー育成

社内の デジタル推進を担う人材 を育成。
座学だけでなく、実践的なプログラムと継続フォローで、真の変革リーダーを育てます。

3. 実行面のサポート

スピーディーな開発支援

  • Web アプリケーション開発(使用技術例: Google Cloud、AWS、Next.js, Hono, TypeScript 等)
  • AI 導入・活用支援
  • 伴走型データ整備支援
  • ローコード/ノーコードによる短期業務アプリ開発

各領域のエキスパートが最新のテクノロジーを駆使し、スピーディかつ柔軟な開発 を実現します。


自社開発プロダクト

GMA(Goal Management Agent)

FrontierTech は支援サービスに加え、独自製品の開発も行っています。その代表格が 「GMA(Goal Management Agent)」 です。

GMA は 組織のミドルマネジメントを AI で支援 する次世代型ツールで、特に目標達成に関するマネジメントを AI Agent が強力に支援します。

もともとは社外 CTO として活動する中で、DX の問題の背景にプロジェクト推進するミドルマネジメント が問題になることが多数あり、プロジェクト推進のマネジメント仕組みを伴走して構築していました。

このとき 「マネージャーの部下への目標設定と達成のフィードバック支援」を一部 Agent によって肩代わりすればもっと早くマネジメント体制を整えられるのでは と考えたことがきっかけで生まれました。

実際に FrontierTech でも「プロジェクトのゴール設定・作業内容の AI によるフィードバック」などを始め GMA を活用しており、順次パートナー企業の皆様にも導入を開始しています。


おわりに

  • 社外 CTO として企業の内側から伴走し、本当に必要なサービスを見極める
  • 小さな改善やツールの組み合わせを絶え間なくチューニングし、銀の弾丸なき時代を切り開く
  • 生成 AI をはじめとする新技術と、人間の現場知識や創造力を融合させることで、新たなフロンティアに進む

これら 3 つのストーリーは、まさに FrontierTech が 「存在意義」 として大切にしてきた道のりでもあります。すべての企業が、変化の波を捉えながら自社の強みを活かし、新たな価値を生み出せるように――私たちはこれからも伴走し続けます。

もし 「どこから始めていいか分からない」 という悩みをお持ちでしたら、まずは一度お話を聞かせてください。私たちと一緒に、新しい未来への “はじめの一歩” を踏み出しましょう。